院長 筒井 裕介
最近のクマ取り治療の傾向についてここ数年、クマ取りニーズが高まっている反面「クマ取りが簡単にできるものだ」という情報に惑わされ、クマ取り治療のリスクが埋もれているように感じます。脱脂のみの治療を行い「術後に凹んでしまった、術後にシワができてしまった、仕上がりが不自然になってしまった」など、治療後に来院される方が増えています。(2024年現在)ここ数年、クマ取り治療のリスクが埋もれているように感じます。脱脂のみの治療を行い「術後に凹んでしまった、術後にシワができてしまった、仕上がりが不自然になってしまった」など、治療後に来院される方が増えています。(2024年現在)
クマ取り治療は主に、経結膜脱脂や裏ハムラ法が行われ、リスクや副作用が異なります。例えば、経結膜脱脂では、適切な量の脂肪を除去しきれず、目の下のたるみが解消されないケースが報告されています。裏ハムラ法は、手術の難易度が高いため、脂肪の再配置がうまくいかず不均一な見た目になるケースがあります。クマ取り治療を受ける際は、リスクについて理解したうえで「どの施術法が得意な医師か」を確認することをおすすめいたします。
年齢とともに眼窩脂肪が下がり突出してくるように、頬の脂肪も下がるのが一般的です。頬まわりの脂肪は大きく2つのブロックに分かれますが、若い頃はこの2つがピタっとくっついています。脂肪の位置は頬骨の高い位置にありますが、年齢とともに2つの脂肪が離れて隙間ができ、脂肪の位置も下垂していきます。これが頬のたるみの原因であり、目の下のたるみを作り出す原因にもなっています。
頬の脂肪が下垂した方の場合は、目の下から頬骨あたりにかけての脂肪が足りないため、脱脂を行うと術後に凹んでしまうケースがあります。
目の下が落ち窪んだ印象と、頬の位置が下がっているのがわかります。その結果、疲れている印象に見えますし、若いという印象を受けません。脱脂では突出した眼窩脂肪を除去することしかできませんので、頬が下がっている方は術後に凹んでしまいます。
目の下の窪みが涙袋に沿うように形成されています。頬が下がり、脂肪が不足している部分にも脂肪注入を行うことで、頬がリフトアップした印象になります。左右の写真を見比べると、右目側の方が、若く健康的な見た目であることがわかります。
当院では目の下のクマ、たるみを改善するだけでなく、涙袋の下の凹みが作り出すニュアンスも調整しています。また、人はずっと真顔でいる訳ではありません。笑った時も自然な仕上がりになるよう、治療中は実際に患者様に表情を作ってもらいながら仕上がりを細かく調整しています。この細かな調整をするためには、脱脂後の脂肪注入が重要になります。
脱脂の対象となる脂肪は、大きく分けて目の下の内側、中央、外側の3つですが、経結膜脱脂用に細かく分類すると、内側奥、内側、中央、中央外、外側、大外の6つに分類できます。これらの脂肪をどの層からどの程度除去するかを評価し、治療を行う必要があります。この見極めが甘く、脱脂の量が多すぎてしまうと、術後に凹んでしまいます。
目の下には注入しやすい部分と、注入が難しい部位があります。注入が容易な部分だけに注入物が入っているケースがよくありますが、そうすると大きな段差を生み出してしまい、治療後に不自然な仕上がりになってしまいます。目の下への注入はとても繊細で難しく、十分な経験と知識が必要になります。
脂肪注入は、層を分けて入れることで注入脂肪へ酸素や栄養を供給しやすくなり、結果的に定着率を高めることができます。 当院では1カ所にたくさんの脂肪が入ることを防ぐための工夫として、リポキューブを採用しています。リポキューブを使用することで脂肪細胞のサイズを柔軟に変えることができますので、注入する層を正確に分け、仕上がりを細かく調整しています。
全ての人が脱脂の後に脂肪注入が必要という訳ではありません。例えば年齢が若く、頬のたるみや頬中央部分に凹みがない場合(頬前面の骨が凹んでいない人)などは、脱脂のみで改善できる場合があります。また、脱脂は不要で脂肪注入のみで改善できる方もいます。
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当院では、カウンセリング時に患者様のクマのタイプをしっかりと見極め、治療方針を決定し、ご納得いただいた上で治療にあたっています。
私自身、40歳を過ぎた頃からクマが出来始め治療を受けました。治療中の痛みやダウンタイムに関しては身を持って体験していますので、治療中、治療後で不安なことがありましたらカウンセリング時にお気軽にご相談ください。
脂肪注入を受けたからといって、必ずしこりができる訳ではありません。しこりになる原因を把握していれば、回避することができます。なぜしこりができるのか?「しこりになるリスク」について詳しく解説します。
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自然な仕上がりにするために
笑った時も自然な仕上がりにするためには「どの部分に、どのサイズの脂肪を、どれくらい注入するか」が非常に重要になります。脂肪細胞のサイズを柔軟に変え、注入する層を正確に分けることで、微妙な表情の動きにも馴染む仕上がりが期待できます。逆に、注入量や注入位置を間違えると不自然な表情になってしまうリスクがあります。