院長 筒井 裕介
「脂肪注入は術後にしこりになるリスクがある」という理由で治療にネガティブなイメージを持たれている患者様がいらっしゃいますが、当院の脂肪注入ではそのリスクはほぼございません。
しこりになる理由は脂肪の入れすぎや、注入脂肪に不純物が混ざっていることです。しこりになる原因を把握していれば、回避することができます。クマ取り治療において、脱脂だけでなく脂肪注入をすることにもしっかりとした理由があります。このページをご覧いただき、正しい治療をご選択いただきたいと願っています。
しこりは、脂肪注入量が多過ぎた場合に発生します。目の下に脂肪注入をする際に、必ず多めに入れるクリニックもありますが、脂肪の入れすぎは、脂肪に栄養が行き渡らず、脂肪定着率の低下を招きます。その結果しこりが生じるリスクが高くなります。また、1箇所に脂肪を注入した場合でも、しこりになるリスクは高くなりますので注意が必要です。
脂肪吸引で採取した液体には、脂肪以外にも、水分、血液、死活細胞、老化細胞などの不純物が含まれています。これらの不純物は、脂肪の定着率の低下や、しこりの原因となります。通常は遠心分離機で除去しますが、20倍の重力がかかることで脂肪の質が落ち、その結果、大きな脂肪壊死が起き、しこりの原因になります。
浅い層に大きな脂肪組織を注入すると、しこりになったように見える場合があります。自然な仕上がりにするためには、深い層には土台となるように大きなサイズの脂肪を注入し、浅い層にはサイズの小さな脂肪を注入することが理想です。層を分けて注入することで、脂肪組織に酸素や栄養を供給しやすくなり、結果的に定着率を高めることができます。当院では、層に分けてサイズの異なる脂肪を注入するための工夫として、リポキューブを採用しています。
注入する脂肪は、線維質を取り除くだけでなく、そこから更に不純物を除去することで定着率を高め、しこりを作らせない工夫をしています。当院では脂肪細胞を弱らせることなく、不純物を20%以下まで取り除くことができるピュアグラフトを採用しています。純度の高い脂肪を注入することで脂肪の定着率が高くなります。脂肪が定着すれば、しこりになる可能性を最小限に抑えることができます。
採取した脂肪組織には脂肪細胞だけでなく線維質も含まれています。 この線維質の量や硬さは個人差が大きく、注入脂肪に多く含まれると、しこりの原因になりますので、 当院では手作業で取り除いています。 脂肪注入前にこの作業を行うことで、安全性と治療の質を高めています。
脂肪は、多く入れすぎると定着率が下がり、定着しなかった脂肪が石灰化することで、しこりとなるリスクが高くなります。表情の動きに対応した自然な造形を可能にするには、丁度良い量の脂肪を注入する必要があり、注入時に腫れていないことが重要となります。当院の治療は、治療中も治療後も「腫れないこと」が大前提となっていますので、適切な量の脂肪を注入することが可能となっています。
加齢に伴うクマが原因の方には、原因となっている眼窩脂肪の除去に加え、脂肪注入の組み合わせ治療を推奨しています。脂肪を取るだけではなぜ駄目なのか?脱脂のみの場合は術後に凹むリスクがありますので、その点について詳しく解説します。
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脱脂のみの治療を行い「術後に凹んでしまった、術後にシワができてしまった、仕上がりが不自然になってしまった」など、治療後も来院される方が増えています。(2024年現在)
当院ではこのような方の再手術を行っていますが、脱脂後の状態がよくない場合、修正治療でも十分に改善できない場合がございます。脱脂のみの治療を受けられる際は、慎重にご検討いただければと思います。
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術後にしこりが発生した場合
ケナコルト注射(脂肪を分解する酵素)や、脱脂術の応用でしこりを摘出します。他院で脂肪注入をして膨らみすぎてしまった症例に関しましても、同様の対処法で改善しております。
当院では、しこりのリスクはほぼありませんが、万が一しこりが発生してしまった場合は、治療費をいただかずに対応させていただきます。